1.曲の説明
トランペッターのLee Morgan(リー・モーガン)作曲のCeora(セオラ)です。Lee Morganのディスコグラフィーによると、初出は1965年録音の以下のアルバム。
この前日にも同じメンバーで同曲が録音されていますが、ボツになっているようです。アルバム・ジャケットにはJackie McLeanの名前がありますが、この曲には参加していません。トランペットとテナー・サックスの2管による演奏です。
この曲は「New Real Book 3」にも収録されているので、それで演奏される方も居るかと思います。この譜面は見やすい。
New Real Book 3 (pdfは
こちら)
トランペットとテナー・サックスは全編ユニゾンで、エンディングの最後だけ、ハモります。ただ、厳密には全部ユニゾンではなく、楽器の音域の都合でテナーサックスがオクターブ下を演奏します。テナー奏者には自明ですが、テナー・サックスの楽譜は実音より全音+1オクターブ上で書きます。
テナーサックスの音域
実音表記 |
テナー譜表記 |
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ですので、テナー・サックス・パートを実音で書くとこんな譜面になります。
テーマの前半を実音表記

音の低さがよく分かると思います。しかし一方で、C譜との違いも分かるかと・・・
赤く囲ったところは、C譜と同じ高さだということ。ここ以外はオクターブ下を吹いているのに、ここだけペットと完全にユニゾンになるのです。まあ、テナー奏者から見れば、9小節目の2拍目から「オクターブ下がる」という感じなのですが。
管楽器にはこんなことがある、という雑談でした。
2.曲のキモ
まあ、テーマが難しい。テンポもそれほど速くなく、アウトサイドのフレーズバシバシという感じでもないのに、指が付いていかないのです。テナーだけなのかと思っていたら、ペット奏者も難しいと言っていたので、普段、あまり使わない運指なのでしょう。もしかするとLee Morganの指クセなのかもしれない。とすると、彼のフレーズの秘密がここに隠れているのかも知れない、知らんけど。
とにかくテーマを完璧に演奏するのが大事です。9小節目と27小節目にブレイクがあります。この曲を知らないベース、ドラムスは高確率で間違えますが、あんまり目くじらを立てないように。大目に見て上げて下さい。
3.いざ、セッションへ
以上を踏まえ、これをジャム・セッションで演奏してみましょう。オリジナルでは1コーラス、ピアノによるイントロがありますが、長いのでセッションでは最初2小節の繰り返しをイントロにしても良いでしょう。是非、ペットとテナーの2管でトライしてみて下さい。それでは、良きセッション・ライフを。