1.曲の説明
ピアニストのSonny Clark(ソニー・クラーク)作曲のBlue Minor(ブルー・マイナー)は、1958年に録音されたアルバム「Cool Struttin'」中の1曲です。日本ではとても有名な曲ですが、ジャム・セッションで演奏されることは少ないです。どうしてでしょうかねぇ、Real Bookに載っていないせいでしょうか。黒本には載せても良かったのにねぇ。A(8)-A(8)-B(8)-A(8)の32小節で1コーラス、コード進行もシンプル、それでいて意外と「難しい」ところがある曲です。リードシートがない現状を鑑み、取り上げてみました。
2.曲のツボその1
A-A-B-Aの32小節で、ソロの時はスウィング(4ビート)で演奏しますが、テーマにはキメがあります。Aはリズムのキメ、Bはラテンで演奏します。
まずはA。最初4小節は、リズム隊はユニゾンで。次の4小節は8分音符3つずつのフレーズにリズム隊も合わせます。楽譜の下段はベース譜。ご参考程度に。
Bがあからさまなラテン・ビートなので、Aはスウィング(4ビート)と勘違いして演奏する方がいらっしゃいますが、実はここもラテン、というか均等な8分音符で演奏します。本当かよ、とお思いの方、スウィングで演奏してみましょう。
ちょっと変でしょ?
Aの冒頭、アウフタクトでFのメロディック・マイナーを5度下から上がるフレーズ、こんななんでもないフレーズを、均等な8分音符で♩=170くらいのテンポで吹こうとすると意外と難しいです。管楽器の方は頑張って修行して下さい。
3.曲のツボその2
テーマのBはラテンです。一口に「ラテン」と言ってもいろいろあるので、ドラマーにどうやれば良いか訊かれたら、「ドンガラタッタ、トッカ・トッカ〜」の感じで、と答えてみて下さい。きっと通じます。
4.エンディング
最後はB♭で終わっている気がします。違うかもしれない。
5.いざ、セッションへ
以上を踏まえ、これをジャム・セッションで演奏してみましょう。曲を知ってる人には説明不要ですが、万が一、知らない人が居たら、
- テーマはラテンであること
- Aはキメキメで、最後の小節は必ずブレイクすること
- Bは「ドンガラタッタ、トッカ・トッカ」で
- ソロはスウィング(4ビート)
- 最後はブレイクしてジャ〜ンで終わる
などをお伝え下さい。伝わらないかも知れないけど。
トランペットとサックスの2管で演奏することをお薦めします。サックスはアルトでもテナーでもいいと思います。オリジナルはアルトですが、もしかするとテナーの方がハマるかも。