1.曲の説明

トランペッターのLee Morgan(リー・モーガン)作曲のCeora(セオラ)です。Lee Morganのディスコグラフィーによると、初出は1965年録音の以下のアルバム。

Cornbread / Lee Morgan Personal Score
Cornbread
Lee Morgan (trumpet)
Hank Mobley (tenor sax)
Herbie Hancock (piano)
Larry Ridley (bass)
Billy Higgins (drums)

YouTube
Lead Sheet (C)
Lead Sheet(Bb-trumpet)
Lead Sheet(Bb-tenor sax)
Lead Sheet(Eb)
midi
demo audio file
Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, September 18, 1965

この前日にも同じメンバーで同曲が録音されていますが、ボツになっているようです。アルバム・ジャケットにはJackie McLeanの名前がありますが、この曲には参加していません。トランペットとテナー・サックスの2管による演奏です。

この曲は「New Real Book 3」にも収録されているので、それで演奏される方も居るかと思います。この譜面は見やすい。

New Real Book 3 (pdfはこちら)
New Real Book 3

トランペットとテナー・サックスは全編ユニゾンで、エンディングの最後だけ、ハモります。ただ、厳密には全部ユニゾンではなく、楽器の音域の都合でテナーサックスがオクターブ下を演奏します。テナー奏者には自明ですが、テナー・サックスの楽譜は実音より全音+1オクターブ上で書きます。

テナーサックスの音域
実音表記 テナー譜表記

ですので、テナー・サックス・パートを実音で書くとこんな譜面になります。

テーマの前半を実音表記

音の低さがよく分かると思います。しかし一方で、C譜との違いも分かるかと・・・

赤く囲ったところは、C譜と同じ高さだということ。ここ以外はオクターブ下を吹いているのに、ここだけペットと完全にユニゾンになるのです。まあ、テナー奏者から見れば、9小節目の2拍目から「オクターブ下がる」という感じなのですが。

管楽器にはこんなことがある、という雑談でした。

2.曲のキモ

まあ、テーマが難しい。テンポもそれほど速くなく、アウトサイドのフレーズバシバシという感じでもないのに、指が付いていかないのです。テナーだけなのかと思っていたら、ペット奏者も難しいと言っていたので、普段、あまり使わない運指なのでしょう。もしかするとLee Morganの指クセなのかもしれない。とすると、彼のフレーズの秘密がここに隠れているのかも知れない、知らんけど。

とにかくテーマを完璧に演奏するのが大事です。9小節目と27小節目にブレイクがあります。この曲を知らないベース、ドラムスは高確率で間違えますが、あんまり目くじらを立てないように。大目に見て上げて下さい。

break

3.いざ、セッションへ

以上を踏まえ、これをジャム・セッションで演奏してみましょう。オリジナルでは1コーラス、ピアノによるイントロがありますが、長いのでセッションでは最初2小節の繰り返しをイントロにしても良いでしょう。是非、ペットとテナーの2管でトライしてみて下さい。それでは、良きセッション・ライフを。


Last Update 01/10/2021 19:56 inserted by FC2 system