1.曲の説明

テナー・サックス奏者のDexter Gordon(デクスター・ゴードン)作曲のFried Bananas(フライド・バナナズ)は、スタンダード・ナンバーの「It Could Happen To You」を基にした楽曲です。タイトルは「バナナズ」と複数形ですので、ご注意を。Dexのディスコグラフィーによると、初出は1969年アムステルダムでのライブ演奏。テンポは♩=180くらい。

Live At The Amsterdam Paradiso / Dexter Gordon Personal Score
Live At The Amsterdam Paradiso
Dexter Gordon (tenor sax)
Rolf Ericson (trumpet)
Lars Sjosten (piano)
Sture Nordin (bass)
Pelle Hultén (drums)


テーマだけ
Lead Sheet (C)
Lead Sheet(Bb)
Lead Sheet(Eb)
 
 
"Paradiso", Amsterdam, Netherlands, February 5, 1969

上のライブの2ヶ月後、アメリカに戻ってきてのスタジオ録音。4月2日のセッションと合わせて、「The Tower Of Power!」と「More Power!」という2枚のアルバムが作られました。これもテンポは♩=180くらい。

More Power! / Dexter Gordon Personal
More Power!
Dexter Gordon (tenor sax)
Woody Shaw (trumpet)
Barry Harris (piano)
Buster Williams (bass)
Albert Heath (drums)


テーマだけ
NYC, April 4, 1969

現在、入手が簡単なアルバムだと、2014年に日本盤が出たコペンハーゲンでのライブ。テンポは♩=210くらい。

Those Were The Days / Dexter Gordon Personal
Those Were The Days
Dexter Gordon (tenor sax)
Kenny Drew (piano)
Niels-Henning Ørsted Pedersen (bass)
Makaya Ntshoko (drums)


テーマだけ
"Jazzhus Montmartre", Copenhagen, Denmark, September 8, 1969

まだまだ沢山あるのですが、もう一つだけ。モントルー・ジャズ・フェスティバルでの演奏から。テンポは♩=215くらい。

Dexter Gordon
With Junior Mance At Montreux
Personal
Dexter Gordon With Junior Mance At Montreux
Dexter Gordon (tenor sax)
Junior Mance (piano)
Martin Rivera (bass)
Oliver Jackson (drums)


テーマだけ
"Montreux Jazz Festival", "Casino De Montreux", Switzerland, June 18, 1970

テイクによって、テーマに若干の揺れがあるため、譜面は最大公約数的なメロディを採用しています。100%、この通り演奏する必要はないかと思います。

この曲は「The World's Greatest Fake Book」にも収録されているので、それで演奏される方も居るかと思いますが、その楽譜がとっても見づらい。

The World's Greatest Fake Book (pdfはこちら)
The World's Greatest Fake Book

最初の段がアウフタクトから4小節ずつ、段を区切っているため、非常に分かりずらくなっています。

こう書いてある方が見やすいでしょ?

ぼくの譜面
My Score

2.曲のキモ

テンポが速いとテーマを演奏するのが大変です。程々のスピードで。♩=140くらいならテーマは2ビートでいいでしょうが、それ以上早い場合は、テーマから4ビートにした方が良いかもしれません。16小節目のブレイクはやった方が良いでしょうが、なくても気にはならないかな。

ソロは「It Could Happen To You」と同じなので、説明の必要はありませんね。ソロの時にはブレイクはしません、当然のことですが。

エンディングはディミニッシュがキモ。ここさえ間違わなければ、なんとかなります、多分。

Ending

5.いざ、セッションへ

以上を踏まえ、これをジャム・セッションで演奏してみましょう。2テナーでユニゾンにしても良いかもしれません。イントロはナシでカウントで始めましょう。それでは、良きセッション・ライフを。


Last Update 01/02/2021 9:31 inserted by FC2 system