1.曲の説明
テナー・サックス奏者のDexter Gordon(デクスター・ゴードン)作曲のFried Bananas(フライド・バナナズ)は、スタンダード・ナンバーの「It Could Happen To You」を基にした楽曲です。タイトルは「バナナズ」と複数形ですので、ご注意を。Dexのディスコグラフィーによると、初出は1969年アムステルダムでのライブ演奏。テンポは♩=180くらい。
上のライブの2ヶ月後、アメリカに戻ってきてのスタジオ録音。4月2日のセッションと合わせて、「The Tower Of Power!」と「More Power!」という2枚のアルバムが作られました。これもテンポは♩=180くらい。
現在、入手が簡単なアルバムだと、2014年に日本盤が出たコペンハーゲンでのライブ。テンポは♩=210くらい。
まだまだ沢山あるのですが、もう一つだけ。モントルー・ジャズ・フェスティバルでの演奏から。テンポは♩=215くらい。
テイクによって、テーマに若干の揺れがあるため、譜面は最大公約数的なメロディを採用しています。100%、この通り演奏する必要はないかと思います。
この曲は「The World's Greatest Fake Book」にも収録されているので、それで演奏される方も居るかと思いますが、その楽譜がとっても見づらい。
The World's Greatest Fake Book (pdfは
こちら)
最初の段がアウフタクトから4小節ずつ、段を区切っているため、非常に分かりずらくなっています。
こう書いてある方が見やすいでしょ?
ぼくの譜面

2.曲のキモ
テンポが速いとテーマを演奏するのが大変です。程々のスピードで。♩=140くらいならテーマは2ビートでいいでしょうが、それ以上早い場合は、テーマから4ビートにした方が良いかもしれません。16小節目のブレイクはやった方が良いでしょうが、なくても気にはならないかな。
ソロは「It Could Happen To You」と同じなので、説明の必要はありませんね。ソロの時にはブレイクはしません、当然のことですが。
エンディングはディミニッシュがキモ。ここさえ間違わなければ、なんとかなります、多分。
5.いざ、セッションへ
以上を踏まえ、これをジャム・セッションで演奏してみましょう。2テナーでユニゾンにしても良いかもしれません。イントロはナシでカウントで始めましょう。それでは、良きセッション・ライフを。