1.曲の説明

ピアニストのSonny Clark(ソニー・クラーク)作曲のBlue Minor(ブルー・マイナー)は、1958年に録音されたアルバム「Cool Struttin'」中の1曲です。日本ではとても有名な曲ですが、ジャム・セッションで演奏されることは少ないです。どうしてでしょうかねぇ、Real Bookに載っていないせいでしょうか。黒本には載せても良かったのにねぇ。A(8)-A(8)-B(8)-A(8)の32小節で1コーラス、コード進行もシンプル、それでいて意外と「難しい」ところがある曲です。リードシートがない現状を鑑み、取り上げてみました。

Cool Struttin' / Sonny Clark Personal Score
Cool Struttin'
Sonny Clark (piano)
Jackie McLean (alto sax)
Art Farmer (trumpet)
Paul Chambers (bass)
Philly Joe Jones (drums)

YouTube
Lead Sheet (C)
Lead Sheet(Bb-trumpet)
Lead Sheet(Bb-tenor sax)
Lead Sheet(Eb-alto sax)
midi file
demo audio file
 
Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, January 5, 1958

2.曲のツボその1

A-A-B-Aの32小節で、ソロの時はスウィング(4ビート)で演奏しますが、テーマにはキメがあります。Aはリズムのキメ、Bはラテンで演奏します。

まずはA。最初4小節は、リズム隊はユニゾンで。次の4小節は8分音符3つずつのフレーズにリズム隊も合わせます。楽譜の下段はベース譜。ご参考程度に。

A

Bがあからさまなラテン・ビートなので、Aはスウィング(4ビート)と勘違いして演奏する方がいらっしゃいますが、実はここもラテン、というか均等な8分音符で演奏します。本当かよ、とお思いの方、スウィングで演奏してみましょう。

ちょっと変でしょ?

Aの冒頭、アウフタクトでFのメロディック・マイナーを5度下から上がるフレーズ、こんななんでもないフレーズを、均等な8分音符で♩=170くらいのテンポで吹こうとすると意外と難しいです。管楽器の方は頑張って修行して下さい。

3.曲のツボその2

テーマのBはラテンです。一口に「ラテン」と言ってもいろいろあるので、ドラマーにどうやれば良いか訊かれたら、「ドンガラタッタ、トッカ・トッカ〜」の感じで、と答えてみて下さい。きっと通じます。

B

4.エンディング

最後はB♭で終わっている気がします。違うかもしれない。

Ending

5.いざ、セッションへ

以上を踏まえ、これをジャム・セッションで演奏してみましょう。曲を知ってる人には説明不要ですが、万が一、知らない人が居たら、

などをお伝え下さい。伝わらないかも知れないけど。

トランペットとサックスの2管で演奏することをお薦めします。サックスはアルトでもテナーでもいいと思います。オリジナルはアルトですが、もしかするとテナーの方がハマるかも。


Last Update 01/11/2021 10:56 inserted by FC2 system