1.ノリは世につれ「チュニジアの夜」はディジー・ガレスピーの古い曲。1946年にはチャーリー・パーカー先生と録音していますから、本当に古い。アフロ・ビートと4ビートが交錯するという、当時としては相当モダンな曲で、その証拠に今でも多くのミュージシャンが取り上げています。 しかし残念ながら1946年の演奏を今聴いてもワクワクしません。ノリが悪いというか、長閑というか、締まりがないというか・・・。向学のために一度は聞いてみて下さい。
アフロ・ビートから4ビートに変わった途端、チンタラしちゃうでしょ? こんなノリじゃあ、今では誰も聞いてくれません。ただ、パーカー先生だけは凄い。特にブレイク・ソロはすさまじい。上記アルバムには別テイクのブレイク・ソロ部分が「Famous Alto Break」という曲名で収録されています。 現代の例として日本人の演奏を紹介しましょう。40年近く経過すると、東洋人でもこのレベルの演奏が出来るようになるのです。決して人種とか血のせいではありません。努力の成果です。
アフロ・ビートから4ビートになってもチンタラしてないでしょ。4ビートのノリがシャープになったからです。単にテンポが速くなったからじゃない、スピード感がアップしています。ちなみにこの演奏は上記アルバムには「さわり」しか入っていません。ここでは、当時カセット・テープのみで発売されたアルバムに収録されている、フル演奏を載せました。 サマータイムを語るときジャニス・ジョップリンの演奏が欠かせないように、この曲を語るときにはチャカ・カーンの演奏を欠かすわけにはいきません。ハンコックのシンセ・ソロやディジー・ガレスピーの参加も注目ですが、立派なファンクに仕立てたアレンジが絶品。特に上述のパーカーのブレイク・ソロをそのまま使ってそこにアンサンブルを重ねるというアイディアはガイキチ。ジャズマンでもあったプロデューサーのアリフ・マーディンのアレンジです。
ついでだからチャカ・カーンのライブバージョンも紹介しちゃおう。かつてレーザー・ディスクで発売され、今では入手困難な演奏です。チャカのノーブラ・シースルーの衣装が目に毒なので映像はなしで。
2.アフロ・ビート前振りが長くなりました。曲に入りましょう。イントロは以下のようなアフロ・ビートで。 イントロのパターンのまま、Aに入ります。 3.サビで4ビートサビで4ビートになり、またアフロに戻ります。 4.ブリッジテーマに続いてブリッジがあります。ブリッジの最後でブレイクして、4小節というかなり長めのピックアップ・ソロ。ここでパーカー先生が吹きまくったわけです。このブリッジで4ビートにしてしまうとチンタラしがちです。意識的に8ビートを維持した方が良いと思います。ピアノのボイシングはハンコック先生仕込み。 5.チャカ・カーン風テナー、ピアノとソロが終わったら、チャカ・カーン・バージョンを取り入れましょう。
6.ピックアップ・ソロはドラムでパーカーのソロをユニゾンするのは不可能なので、ドラムソロで。4小節のイントロを経て、テーマに戻ります。 7.エンディングエンディングではテナーのカデンツァを。テナーのキメ・フレーズとドラムのおかずで終了。 8.データこの回で紹介したデータをまとめておきましょう。
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