実録!ズージャでGO! 1月 その5

テーマ ジャズサンバ
Blue Bossa

1.サンバとジャズサンバ

ボサノバのリズムパターンはテンポが速くなると演奏するのが厳しくなります。だからというわけではないですが、速いテンポではサンバで演奏します。ただ、ブラジル人に言わせると「遅いテンポであろうが速いテンポであろうが、常にサンバだ」そうなんですが。

ボサノバのところでも書きましたが、サンバは2分の2拍子で書きますが、ジャズの場合、4分の4拍子で書くことがあります。それを「ジャズ・サンバ」なんて言ったりします。サンバとジャズ・サンバのどこがどう違うのか、正確には説明できませんが、ジャズ・サンバは16ビート的と言えるかも。

2.サンバと4ビート

現代のジャズではサンバと4ビートは「同じ」であると考えます。もちろんリズムの外見・見た目は違いますが、遠いリズムとして考えません。サンバで始めて途中で4ビートにする、なんてのはもはや定番です。4ビートに移る時に快感を覚えるようになったら一人前です。

3.モントゥーノ

サンバの曲でピアノがモントゥーノを弾くことがあります。「モントゥーノ」とは一定のパターンでリズムとコードを提示することですが、元来はサルサなどのキューバ音楽の演奏法です。まあ、USAから見れば中南米もブラジルも一緒ということでしょうか。サルサのように常時弾いてると腕が筋肉痛になるかもしれませんが、イントロとして弾いたり、ソロの途中で弾いたりすると「出来る子」に見えるかも。

いろんなパターンがありますが、ここではタニア・マリアが弾いてたパターンを紹介しましょう。ヒネリが効いてて、カッコいいです。

※練習後追記

イントロのイメージはこんな感じをイメージしてました。「ありがち」なパターンです。こういう「ありがち」なパターンをいっぱい身に付けるのも実力の内です。

4.曲について

ジョー・ヘンダーソンで有名な「ブルー・ボッサ」ですが、作曲はトランペットのケニー・ドーハムです。ボッサと言いながら、今時ボサノバで演奏することはなく、通常はサンバで演奏します。オリジナルのジョーヘンのデビュー・アルバム「Page One」ではタイトル通りボサノバで演奏しているので、作曲者の意図としてはボサノバだったんでしょう。でも、サンバで演奏するのが当たり前になった今の耳で聞くと、悲しいほどショボイです。

1コーラスが16小節と短く、シンプルなメロディでありながら、途中に転調もあったりと、なかなか良くできた曲です。ここではイントロとしてCmのオープン(ずーっとCmということ)で前述のタニア・マリアのモントゥーノをやりましょう。テーマ、テナー、ピアノ、テナーとピアノのバース、後テーマと進行します。ピアノ・ソロの途中で4ビートにして、最後の4小節でテーマのメロディを弾いてサンバに戻しましょう。

エンディングは最後の4小節を3回繰り返して(プラス2回)終わりましょう。この終わり方は最も基本的と言えるパターンです。大体、どの曲でも使えます。

5.参考演奏

ジョー・ヘンダーソンが単身来日して、日本人ミュージシャンと全国各地でコンサートを行った際の録音。おそらく銀座にあったジャズ喫茶「ジャンク」でのライブ。ジョーヘンもいいですが、なにしろ元彦さんが凄い!。日本録音ながら世界的に発売されたため、「日本に凄いドラムがいるぞ」と元彦さんの名を世界に広めることになりました。

これはCDになってるみたいですが、当然ぼくはLPで持っています。ちなみに東京都市センターでのコンサートもLPで発売されましたが、こっちは菊地雅章、日野皓正、峰厚介、鈴木良雄、村上寛というメンバーで日本だけのリリース、CDにもなっていないと思います。

ここでの「ブルー・ボッサ」はボサノバをテンポ・アップしたパターンで演奏しているようです。サンバまで踏み込んでいないみたい。ただ、ボサノバとしてはこのテンポは人類の限界でしょう。

Live In Japan / Joe Henderson Milestone MSP9047
Joe Henderson tenor sax
市川 秀男 piano
稲葉 国光 bass
日野 元彦 drums
1971年8月4日録音  

6.データ

この回で紹介したデータをまとめておきましょう。

 
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