1.まずはテーマだけ結構、複雑な曲なので、今回はテーマだけ。 2.バラードだけどそれだけじゃないパット・メセニー、正確にはパット・メシーニーのナンバー。おそらくマイケル様のテナーを想定して作曲、二人がそろうと必ずといっていいほど演奏していましたが、マイケル様は自分のカルテットでも演奏していました。ギターがないと成立しないように見えて、ピアノでも十分イケます、少なくともジョーイ・カルデラッツォが弾けば(^_^;) バラードで始まりますが、アドリブ・パートは8ビートだったりします。やや長い演奏なので、構成を俯瞰してみるとこんな感じになります。 オリジナル通りに演奏しようとすると、中間のソロ・ギターの部分が厳しいので、今回はこんな構成でやってみたいと思います。 2.バラード(テーマ)部分上の図で「テーマ」と簡単に書きましたが、実は結構、複雑です。 (1)キューで始める前半テンポに乗るのではなく、キュー(合図)でフレーズを進めます。赤丸がキューで始める音。 (2)キューで始めてリズムに乗る6/8拍子キューで始めますが、ビートは6/8拍子に変わります。最後4小節は完全にビートに乗ります。 (3)バラードな6/8拍子ビートは6/8拍子ですが、バラード調です。 3つ続けて演奏するとこんな感じ。 オリジナルはこれを2回繰り返しますが、時間の都合上1回にして、次へ進みます。Aの変形パターンです。 3.参考演奏1980年5月に録音され、「80/81」と題されたアルバム。ECMの原盤(レコード)ではECM-1180/81と採番され、1980年台の新しいジャズの先駆けを意識してのタイトルか、などと言われたものです。ただ、当時、パット・メセニーと言えばリー・リトナー、ラリーカールトンに続く、フュージョン系のギタリストの新星として脚光を浴びつつあったわけで、180度異なるアコースティック・ジャズのアルバムは衝撃的でした。しかもオーネット・コールマンの曲も取り上げるという、フリー寄りの演奏でしたから。いわゆる「ギター・キッズ」らからは敬遠されましたが、スイング・ジャーナルを中心とする懐古趣味反動主義者からは「やっとメセニー君も大人になったね。わしは前から見所のある子だと思っていたんじゃ」風に歓迎されました。 でも、やっぱり一番影響を受けたのは、当時大学2年生だったぼくらの世代。すでにジャズ研界(?)ではジョンスコ・メセニー時代に入っており、ジャズ色の強さではジョンスコがリードという局面でしたが、このアルバムでメセニー株がぐんと上がったような記憶があります。ぼくも12弦ギターで一曲作って演奏したりしてました(恥ずかしい)。 メセニーにとっても転換点でしたが、我らがマイケル様にとってもターニング・ポイントとなり、このときのメンバーを中心に遅すぎた初リーダー・アルバムが作られることになるのでした。
4.データこの回で紹介したデータをまとめておきましょう。
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