実録!ズージャでGO! 4月18日 その4

テーマ ブレイク&ピックアップ
All Of You

1.ブレイク&ピックアップ

テーマのメロディが終わって最後2小節くらいを残して全員が音を止めて、ソロを始めることがあります。これを「ブレイク&ピックアップ」と言います。

ピックアップの部分はソロイスト以外誰も演奏していない、文字通りの「ソロ」になるわけです。カッコ良くピックアップ出来ればソロにも勢いが付きますが、入り損ねたり、フレーズを外したり、リズムがコケちゃったりすると、相当カッコ悪いものです。

大体は最初のソロイストだけがこのピックアップ・ソロを弾きますが、これを全員にやってもらおうというのが今回の趣旨です。もちろんベースもやります。

2.マイルス式ソロ延長法

曲のエンディングでII-V-IをII-V-III-VIに変えて延長する方法があります。それを各ソロの最後に適用して、ソロを延長する演奏法があります。

通常のコード進行
II-V-III-VIで延長

マイルスはこれがお好きらしく、「If I Were A Bell」、「I Could Write A Book」、「All Of You」などで採用しています。

コルトレーン先生も影響されたのか、「But Not For Me」で採用しています。

My Favorite Things /
John Coltrane
Atlantic 1361
John Coltrane tenor sax
McCoy Tyner piano
Steve Davis bass
Elvin Jones drums
1960年10月26日録音  

Aの部分にGiant Steps進行を大胆に当てはめた演奏です。

マイルスの場合、ごくごく普通のコード進行なのでどこからこの延長に入ったかが分かりづらいですが、コルトレーン先生の方は「これから延長パターンに入りまっせ〜」部分もあり、明確に分かるので、より効果的だと思います。

3.この曲について

コール・ポーター作曲のスタンダードです。コール・ポーターの曲の特徴としては

  1. 1コーラスが長い
  2. A−A−B−Aだけど最後のAが長い
  3. IIm7を♭5にするのが好き
  4. ハーフ・ディミニッシュからの半音下降が好き

などが挙げられますが、この曲では3だけ当てはまります。

最初のテーマは譜面通りに演奏します。Bの2段目、Eフラットからの半音下降はソロではGm7ーC7に置き換えることが多いですが、似たようなコード進行が続く曲なので、アクセントを付ける意味でも毎コーラスこの通り演奏しましょう。ただ、アドリブはGm7ーC7のつもりで構いません。

30小節目のアタマでブレイクして、テナーがピックアップしてソロに入ります。

テナーソロの1コーラス目は普通に演奏して、2コーラス目の最後から延長パターンに入ります。

ソロの最後はテーマを引用してブレイク、ピアノがピックアップしてソロに入ります。

ピアノソロも同様に2コーラスで延長パターンに入り、テーマを引用してブレイク、ベースがピックアップしてソロに入ります。

ベースソロは1コーラスで延長パターンなし、ブレイクしてテーマに戻ります。

あとテーマでも延長パターンに入り、終わりましょう。

4.参考演奏

あまりに有名すぎるアルバムですが、一番ちゃんと演奏しているので。

'Round About Midnight /
Miles Davis
Columbia 8649
Miles Davis trumpet
John Coltrane tenor sax
Red Garland piano
Paul Chambers bass
"Philly" Joe Jones drums
1955年録音  

5.データ

この回で紹介したデータをまとめておきましょう。

 
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