1.一拍足りない?ジャズにおいて三拍子は曲が少ないこともあり、あまり演奏する機会がありません。そのためやり馴れていないことから、苦手にする人も多いです。馴れれば大したことはありません。 ただ、どうしても我々の体には四拍子が染みついているので、一拍足りないというのは大きなネックになります。ベース・ランニングなどは目的の音にたどり着けなかったりして・・・ ソロにおいても、普段練習していたII-Vフレーズが終わる前にコードが変わってしまって、慌てることがあります。でもソロの場合には一拍ずれたフレーズがカッコイイ場合もあったりします。まあ、馴れるしかないというところでしょうか。 2.3拍子×2=4拍子三拍子を一拍半ずつ4回繰り返せば擬似的に四拍子になります。このように元のリズムと異なるリズムを感じさせることを「ポリリズム」と言います。三拍子の場合にはポリリズムを強調することは少ないですが、「ベーシックな音楽の流れとは違う流れを生み出す」というのはジャズの基本的な手法なので、覚えておいてください。 三拍子の場合は「ズン・チャ・チャ」的なリズムになりがちなので、アクセントを付けるために用いたりします。下の例はイントロでドミナント・ペダルを一拍半で弾いてます。 Bの5〜6小節で一拍半×4をベースが弾いています。 もう少し長めに一拍半を続けるとポリリズムの香りがしてきます。 3.曲について先日お亡くなりになったフレディ・ハバードの曲です。A(16)ーA(16)ーB(8)ーA(16)の56小節で1コーラス。 上で挙げたイントロで始めて、AーAは2ビート的に演奏してBは上の二番目の例のようにランニング+一拍半で。最後のAは三番目の例のように一拍半ペダルでやりましょう。 テーマとソロの最後にはこのキメをやります。 ソロの途中では普通に演奏します。 ソロの最後にキメがあるというパターンはよくあります。グリーン・ドルフィンでソロの最後を伸ばしたりしますよね。あれと同類です。 ソロの最後をみんなで合わせるということは、「ソロを終わるよ〜」というのをみんなに知らせる必要があります。自分勝手に終わってはいけません。 4.参考演奏フレディのリーダー・アルバムでも録音していますが、ぼくは持っていないのでジャズ・メッセンジャーズ時代のアルバムから。フレディはAの9〜12小節を「Dm7−Ebm7」と演奏しているみたいです。今回はぼくの趣味で「Dm7−Ebmaj7」にしましょう。
5.データこの回で紹介したデータをまとめておきましょう。
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